家族信託の活用事例(高知市在住:Iさん)

【概要】
ご相談者の I 様(70代・女性)は、高知市内にご自宅と賃貸アパートを所有されています。現在のご主人とのあいだにお子様はおらず、前夫との間に成人されたご子息が東京にお住まいです。I 様は「前夫が遺してくれた大切な不動産を最終的には子どもに承継したい」という強いお気持ちをお持ちでした。しかし最近、物忘れが増えたことで認知症への不安が募り、「判断力が低下したあとでも子どもに迷惑をかけず、安心して地域で暮らし続けたい」という将来設計に悩んでおられました。
【行政書士法人ライフからのご提案】
I様からのご相談を受け、弊所からは家族信託の活用をご提案しました。
- 家族信託の活用
- 目的:①I 様の生活の安定確保 ②各不動産の円滑な管理・処分 ③最終的にご子息への確実な承継
- 契約内容
- 委託者/受益者:I 様
- 受託者:東京にお住まいのご子息
- 信託財産:自宅・賃貸アパート・施設入居費に充当する予定の一部現金
- 運用イメージ
- I 様が健常な間:賃料収入や修繕の意思決定はI 様の指示で実施します。
- 判断力が低下した場合:受託者となるご子息が管理・処分を代行されます。
- 施設入居時:ご子息の判断で不動産を売却し、売却代金を施設費用に充当します。
- 相続発生時:残余の不動産・金銭はあらかじめ定めた「帰属権利者」であるご子息が取得されます。
- ご主人への配慮
- ご主人はご自身名義の不動産で生活を継続できるため、I 様の資産を処分・承継する際に居住問題は生じません。
- 生活資金の確保
- 生活費として必要な普通預金や年金受取口座は信託対象外とし、I 様が自由に管理できる体制を維持できます。
- 公正証書遺言の作成
- 信託に組み込まない残余財産については、遺言書でご子息単独相続と指定。これにより遺産分割協議を不要にし、ご主人とご子息の間での手続負担を解消します。
【まとめ】
I 様の「住み慣れた地域で安心して暮らしつつ、最終的には子どもに財産を渡したい」というご意向を実現するために、家族信託は有効であることをご理解いただき、組成を弊所にご依頼いただきました。
この度のI様は、家族信託を有効にご活用いただくことで、
- 認知症リスクが顕在化しても不動産管理が滞らない
- 施設入居費用を確保しながら生活資金の自由度も担保できる
- 相続時のトラブル回避と円滑な資産承継が可能
という三つの安心を同時に得られました。
同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ行政書士法人ライフまでご相談ください。経験豊富な専門家が、ご家族の状況とご希望に合わせた最適な信託設計をご提案いたします。