相続コラム

実家に両親二人暮らし。もし母親が認知症になったらすべき対策は?

相続コラム

2018/03/15

子どものいるご家族の場合、先に父親が亡くなると、相続人は母親と子どもであり、相続人で話し合い誰が何をもらうかを決めます。しかし母親が認知症だと遺産分割協議ができず父親の残した自宅不動産は事実上凍結され、その後母親が施設に入り、実家が空き家になっても売却はできません。母親に後見人を就け、実家を売却しようとしても母親に金融資産があると家庭裁判所から居住用財産の売却許可を得るのは難しいのが現状です。

 

そこで父親のとるべき対策が『家族信託』です。父と子で自宅不動産を信託財産とする信託契約を結びます。受益者を父、父が亡くなったら次は母とし、両親二人共が亡くなったときに信託終了とすれば父が先に亡くなったとしても、母親が施設に入り実家が空き家になったタイミングで売ることが可能となります。そのとき売却の手続きをするのは子どもですが、『居住用財産3000万円控除』は適用されます。さらに実家を売却して得たお金は母親の医療・介護費用に充てることができます。

 

不動産の場合、何もしていなくても固定資産税・火災保険等の維持費はかかります。人口減少で一部の地域を除いては地価も下落傾向にあるなかで、売却のタイミングを逃したら相当な損をすることにも繋がりかねません。費用をかけてでも対策をする価値はあるのです。

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