遺産分割前の相続預金の払い戻し制度
2019/07/13
亡くなった人の名前が新聞に載ったり、
町内中に放送でお知らせしたり、
なんてことは少なくなりましたが、
亡くなった事実が金融機関に伝わると
その人の口座は凍結され、
預金はおろせなくなってしまいます。
その場合、
相続人全員で話し合い(遺産分割協議)を行い、
協議が整えば、
口座の名義変更や解約手続きが
可能になるというのが
これまでの手続きの流れでした。
しかし、協議が整わなければ、
いつまでたっても口座が解約できず、
亡くなった人と生計を一にしていた家族は
生活費や葬儀費用が払えず困ってしまいます。
そこで、この度の相続法の改正により、
遺産分割協議が整う前でも
預金のうちの一定額について
金融機関での払い戻しが可能となりました。
払い戻しを受けることができる額は、
相続開始時の預金額 ✖1/3✖払い戻しを行う相続人の法定相続分
となります。
例えば、配偶者と子供が相続人の場合、
配偶者の法定相続分は1/2ですので、
ある銀行に預金が1200万円あった場合、
1200万円✖1/3✖1/2=200万円となります。
ただし、同一の金融機関(複数の支店に
相続預金がある場合はその全支店)からの
払い戻しは150万円が上限ですので、
配偶者がその金融機関から
払い戻しを受けられるのは
150万円となります。
これは、ひとつの金融機関あたりの金額ですので、
複数の金融機関に預金がある場合は、
もっと増えることになります。
この制度の創設により、
遺産分割協議が整わないため、
預金が解約できず
当面の生活費や葬儀費用の支払いに
困る人は一定数減るでしょう。
また、遺産分割協議が整わず、
相続財産を分割する前に
相続税の申告・納税期限(10ヶ月)を
迎える人たちの中にも
この制度により助かる人たちが
いるのではないでしょうか。
詳しくは以下の一般社団法人全国銀行協会の
資料をご確認ください。
遺産分割前の相続預金の払い戻し制度:令和元年7月1日施行
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