相続コラム

改宗と墓地

相続コラム

2020/04/17

埋葬する墓地が民営や公営の場合には

宗派を問わず、埋葬することが出来ます。

しかし、寺院墓地の場合は少し違います。

その寺院の墓地使用権者になるためには、

寺院の檀徒となることが必要とされているのが一般的です。

 

その背景に歴史的経緯及び

信教の自由(憲法20条)があります。

しかし、例外はあります。

初めは檀家だったが、改宗した人の埋葬です。

 

新興宗教教団の会員が、浄土真宗本願寺派の寺を

訴えた事案が起こった際、

津地方裁判所は昭和38年6月21日の判決で

「寺と檀家との関係については、

檀家は墓に先祖代々の遺体や遺骨が埋められ、

それを祭っていくことが想定されており、

檀家は寺の土地を墓地として利用する関係は

永代に渡って継続されるものと考えられている。

そこで、その使用は永久に続くものと

していたと考えられることから、

改宗したことを以て埋葬の拒否を

することができないが、

寺院墓地管理者は自派の典礼施行の権利が

害されることを理由に

これを拒むことができる。

この理由による拒絶は墓地埋葬法13条にいう

拒絶できる正当な理由に当たる。」

という趣旨の判断を示しました。

 

つまり、墓地経営者は檀徒が改宗したことによって

埋葬を拒否することは原則的にできないが、

埋葬者は寺と違った式典の埋葬を求めることが

できないということです。

 

とはいえ、これは昭和38年頃のお話。

最近では、宗派を問わず埋葬できる

宗教法人が運営する墓地が増えてきました。

もし改宗されたとしても

問題にならないこともあるでしょうし、

改宗するのであれば、ちゃんと

墓じまい(改葬)をするほうが

良いかもしれません。

 

行政書士法人ライフでは、

墓じまい(改葬許可)の相談も

無料でお受けしております。

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