相続コラム

ペットに相続○?☓?

相続コラム

2020/08/26

現在、日本にいるペット(犬・猫)の数は

一般社団法人ペットフード協会によると

犬猫合わせて約1855万頭と推計されています。

ペットも家族の一員ですが、財産をペットに

相続させられるのでしょうか。

 

答えは「出来ません。」

現在の日本ではペットに

財産を相続させる制度はありません。

法律上、ペットは「物」として扱われます。

(動物愛護法等の特別法を除く)

仮に遺言にペットに財産を相続させる旨を

記載していたとしても、

法律上は有効にはなりません。

 

では、ペットに遺産を相続させたいという思いを

どの様に生かせばよいのでしょうか。

具体的に以下の3つの方法があります。

①負担付遺贈

②負担付死因贈与

③ペットのための信託

 

①負担付遺贈とは遺言で条件を定めて特定の人に

財産譲渡をすることです。

「ペットを飼育することを条件に

飼育に必要な財産を譲る」という内容を

遺言に記載します。

ここで1つ注意が必要です。

負担付遺贈では、遺言でペットの飼育を

一方的にお願いすることになります

指定された相続人が相続放棄という形で

お願いを断る場合もあります。

ペットを託す飼い主側は、託される立場の人と

よく話し合いを行っておくべきでしょう。

 

②負担付死因贈与とは贈与する側が死亡した場合に

ある条件において贈与が行われることです。

①と違い、②負担付死因贈与は

両方の同意の上で成立しているので、

断られる心配はほとんどありません。

ただし、口頭で終わらせずに書面で契約内容を

残しておくことが重要です。

 

③ペットのための信託とは

委託者(飼い主)が受託者(個人・機関)に

財産(ペット・飼育費用)を信じて託すことです。

この際、受益者は委託者と兼任、

もしくは新しい飼い主を受益者として定めます。

信託契約は公正証書で行うことを強くオススメします。

信託は契約内容に注意すべき点が多いため、

専門家の力を借りましょう。

 

上記の方法で託された人が

内容通りに飼育を行っているか、

監視する監督人を

決めておくこともできます。

 

何が起こるかわからない世の中です。

いざという時に、

大切な家族を守れるように

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