相続コラム

田舎の土地が放棄できるようになる!?

相続コラム

2018/06/17

所有者が分からない土地が増えて開発事業が遅れるなど社会問題化していることを踏まえ、法務省は、土地の所有権を放棄する制度の創設や、相続登記の義務化の検討を柱とする中間報告を発表しました。2020年までに関連法案の国会提出を目指すそうで、遠い未来ではないことが伺えます。

 

現行法の下では、土地の所有権を放棄できるかどうかは専門家の間でも見解が分かれています。放棄によって、所有者が固定資産税などを負担する義務から一方的に逃れられるからです。もし田舎の土地を多くの人が放棄したら、過疎化が進み今でも財政的に苦しんでいる自治体は、さらに税収が減り困ることになりますから問題です。

 

 

今後は、土地所有者の責任を免除できるケースを絞り込み、放棄の要件や手続きについて検討するようです。放棄された所有権の帰属先を国と地方自治体のどちらにするのが適切かも議論し、また、長期にわたって放置されている土地を、所有者が放棄したとみなすことができる制度の是非も研究するそうです。

 

今後は、相続人に登記の義務を課すことの是非や、法務局の登記官が所有者名や住所が適切に記載されていない登記を調べたり、最新の戸籍情報を把握できたりする仕組みも検討するそうです。相続登記の義務を果たさなかった場合にはペナルティがあるのか、過去にさかのぼって適応されるのか、など気になる点がいっぱい出てきます。法案の行方を注意して見ていきましょう。

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