相続コラム

遺言に押印がなくなる?なくならない?

相続コラム

2020/11/12

デジタル庁が発足し、

様々な手続きに押印を無くしていこうとしています。

その際、ニュースのインタビューで

「遺言状の押印もいらないのではないか?」

という意見を耳にしました。

本当にその様なことが出来るのでしょうか。

 

 

答えは「現時点では、出来ません。」

理由としては、法律で押印しなければならないと

決まっているからです。

自筆証書遺言は民法968条で次のように記載されています。

「自筆証書によって遺言をするには、

遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、

これに印を押さなければならない

2 自筆証書中の加除その他の変更は、

遺言者が、その場所を指示し、

これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、

かつ、その変更の場所に印を押さなければ

その効力を生じない。」

 

また、公正証書遺言では民法969条4項、5項に次のように記されています。

四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、

各自これに署名し、印を押すこと

ただし、遺言者が署名することができない場合は、

公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って

作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。」

 

 

実際の業務では、運転免許証やマイナンバーカードのほか、

実印と印鑑証明書で本人確認を行います。

本人が作成したものとしての重要な証になるため、

亡くなった後でも有効になります。

これから当分、遺言に関しては印鑑が無くなることはなさそうですね。

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