般若心経と浄土真宗
2019/02/14
日本で多くの仏教徒に親しまれているお経に般若心経がありますが、それは正式には「仏説魔訶般若波羅蜜多心経」(ぶっせつまかはんにゃはらみたしんぎょう)と呼ばれる大乗仏教の経典の一つです。この般若心経は真言宗や禅宗など多くの宗派で唱えられているものの、安芸門徒で知られる浄土真宗のお寺では、この般若心経がお経として唱えられることはありません。そこで今回、浄土真宗のお寺さんが般若心経をおすすめしない理由を、簡単にご説明いたします。
「仏説魔訶般若波羅蜜多心経」のタイトルは、「仏説」=「お釈迦様の説いた」、「魔訶」=「偉大な」、「般若」=「智慧」、「波羅」=「彼岸」、「密多」=「到る」、「心」=「大切な」、「経」=「経典」。すなわち「お釈迦様の説いた偉大な智慧で彼岸に到る大切な経典」となり、煩悩を断ち真の智慧の完成をしなさいと説いています。
智慧と行によって煩悩を断ち切ろうと説いている「般若心経」に対し、浄土真宗の教えは「阿弥陀如来のお力に一切のはからいを捨てておまかせし、それによって救われる」というものです。したがって真宗門徒が「般若心経」をあげることは、かえって阿弥陀如来のお力を否定することになるので、浄土真宗では「般若心経」をあげることはないとされています。
ただ真宗門徒であっても、個人的に般若心経を信仰している方もおられるので、お仏壇の前で浄土真宗のお経(浄土三部経)とは別に、般若心経を唱えたり写経されてもかまわないでしょう。
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仏事コーディネーター 三村 敏彦
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