空き家の46%が築50年超
総務省が全国の空き家約70万戸を調査したところ、
46.4%が建築後50年以上経過しており、
老朽化が進んでいた。
建物の所有者は相続・贈与で取得したものが最多で、
遺産相続したものの放置され老朽化が進んでいる実態が浮かぶ。
総務省の住宅・土地統計調査(2018年10月時点)の全国の空き家は約848万9千戸。
その中から所有者が特定できた約70万戸を対象に集計した。
空き家対策法ができて5年を迎えるが、空き家は増加し続けている。
空き家の特徴は田舎に存在し、売ろうにも売れず、
市場もほとんどない。
空き家の70%は現在の耐震基準を満たしていない。
放置すれば危険な空き家「特定空き家」の対象となり、
指定されたら、建物撤去や修繕が求められる。
従わなければ更地と同じ評価で固定資産税等が課税される。
危険な状態となれば強制撤去されることもある。
政府は相続した空き家を更地で売却したり
するなど一定の条件を満たせば
所得税や住民税を軽減する措置を用意しているが、
不動産が売れない田舎では売却が出来ない。
売却が可能な街なかの空き家は不動産会社も声をかける。
今残っている空き家は売却できない不動産なのだ。
負の財産となった不動産は塩漬けにならざるを得ない。
次の相続までに何とかしたいと思うのが親心だが…
10年前に田舎に多くの不動産を持つご高齢のSさんから
「不動産を売って欲しい。」と相談を受けた。
居住用の土地は贈与をすることを提案し、
事業用は売却することで処分していった。
何件か贈与・売却ができなかったが、
ほとんどの不動産を処分することが出来て
Sさんに喜んで頂いたものである。
もし、田舎に不動産をお持ちであれば、
売れるうちに、速やかに売却するか、
受けてくれる方があれば無償で譲渡(贈与)することをお勧めする。
ファイナンシャルプランナー 香川文人